賃貸物件で洗濯機の排水口の臭いが気になった時、自分で掃除をしても改善しない場合、「この問題を大家さんや管理会社に相談すべきなのだろうか」と悩む方は少なくありません。結論から言うと、まずは自分でできる範囲の掃除を試した上で、それでも臭いが取れない場合は、速やかに大家さんや管理会社に連絡するのが正解です。その理由は、臭いの原因が、入居者が掃除できる範囲を超えた、建物側の設備の問題である可能性があるからです。例えば、臭いの原因が、排水トラップの奥、つまり壁の中や床下を通っている共有の排水管の詰まりや汚れである場合、これは入居者が個人で対処できる問題ではありません。専門業者による高圧洗浄など、大掛かりな清掃が必要となります。このような建物全体の設備に関するメンテナンスの責任は、原則として貸主である大家さんにあります。また、排水トラップ自体の設置不備や、部品の破損・劣化が原因で、正常に機能していない可能性も考えられます。この場合も、設備の修繕義務は大家さん側にあります。連絡する際は、「自分で排水トラップの掃除は行いましたが、下水のような臭いが改善しません。排水管の奥に問題がある可能性があるので、一度点検していただけないでしょうか」というように、自分で行った対処と、現状を具体的に伝えることが重要です。決して、自分で勝手に業者を手配してはいけません。費用負担のトラブルに発展する可能性があります。賃貸物件の設備トラブルは、抱え込まずに報告・相談することが、入居者の権利であり、問題を円滑に解決するための鉄則なのです。