給湯器から「ドンドン」というウォーターハンマー現象の音が発生した場合、専門業者に点検を依頼するのが最も確実な解決策ですが、業者が来るまでの間や、軽度な症状を少しでも和らげたい場合に、自分で試せるいくつかの応急処置があります。ただし、これらは根本的な解決にはならず、あくまで一時的な対策であると理解しておくことが重要です。最も簡単で効果的な方法が、水道の元栓、あるいは給湯器に繋がる止水栓を少し絞ることです。元栓は、戸建ての場合は屋外の水道メーターボックス内に、マンションの場合は玄関横のパイプスペース内に設置されています。この元栓のバルブを、全開の状態から少しだけ時計回りに回して、水の供給量をわずかに減らします。これにより、水道管を流れる水の勢いが弱まり、蛇口を閉めた際の衝撃を緩和することができます。ただし、絞りすぎると家全体の水の出が悪くなってしまうため、様子を見ながら少しずつ調整するのがコツです。また、蛇口の操作を意識的にゆっくり行うだけでも、音の発生を抑えることができます。特にシングルレバー式の蛇口は、急に閉めずに、数秒かけてゆっくりとレバーを倒すように心がけましょう。これにより、水の流れが緩やかに止まるため、急激な圧力変化を防ぐことができます。これらの方法は、あくまで対症療法に過ぎません。もし、止水栓を絞っても音が全く改善しない場合や、音が以前よりも大きくなっていると感じる場合は、配管の固定不良や給湯器本体の不具合など、別の原因が考えられます。無理に自分で解決しようとせず、専門家の診断を仰ぐのが賢明です。