リフォームの現場に携わるプロフェッショナルの視点から見ると、トイレリフォームにおける内装込みの選択は、非常に理にかなった合理的な判断です。工事の現場では、予期せぬ事態が起こることがありますが、内装込みで受注している場合、それらのトラブルに対しても柔軟かつ包括的に対応できるからです。例えば、古い便器を外した際に、配管の劣化や周囲の床材の腐食が見つかることがあります。内装工事が含まれていない場合、そこでの作業が一旦ストップし、追加見積もりや別業者の手配が必要になりますが、内装込みの現場であれば、職人がその場で適切な補修を行い、スムーズに工事を継続できる強みがあります。また、現場での仕上がりを左右する「納まり」の美しさも、内装込みならではのポイントです。便器と床、あるいは壁との接地面において、内装工事と設備工事を別々に行うと、どうしてもわずかな隙間や違和感が生じやすくなります。しかし、一貫した工程で行えば、床材を敷き詰めた後に便器を設置し、さらに壁紙の端を巾木できれいに処理するといった、細部まで徹底したこだわりが可能になります。この数ミリ単位の精度の差が、最終的な高級感や清掃のしやすさに直結するのです。現場の職人も、内装込みの工事であれば空間全体を一つの作品として仕上げる意識が高まり、より丁寧な仕事が期待できます。さらに、現場の知恵として特筆すべきは、収納や照明のカスタマイズ性です。内装を剥がすタイミングであれば、壁の中に埋め込み型の収納棚を作ったり、足元灯を設置したりといった、ちょっとした工夫が最小限のコストで実現できます。これらのオプションは、工事が進んでからでは追加が難しいため、内装込みのプランニング段階でプロに相談しておくことが重要です。現場を知り尽くした施工担当者であれば、その家ごとの特徴に合わせた最適な内装材やレイアウトの提案をしてくれるはずです。内装込みのリフォームは、住まい手と作り手が協力して、その家にとって最高の正解を導き出すための、対話のプロセスでもあるのです。
トイレリフォームを内装込みで行う現場の知恵