近年、社会問題となっている「空き家」において、給湯器の大量水漏れが原因で深刻な近隣トラブルに発展するケースが増えています。相続した実家をそのままにしているといった状況では、管理の目が届きにくく、異常の発見が遅れがちです。あるケースでは、誰も住んでいないはずの家から数日間にわたって大量の水が流れ出し、坂の下にある隣家の庭を冠水させてしまいました。原因は、冬場の凍結によって給湯器の配管が破裂したことでした。住人がいればすぐに止水できますが、空き家の場合は誰かが気づくまで水が漏れ続けることになります。この事例では、隣家の方が異変に気づき、警察や自治体を通じて所有者に連絡がつくまで一週間近くかかりました。その間、数千リットルもの水が漏れ出し続け、空き家の基礎部分は泥だらけになり、隣家の家庭菜園は全滅してしまいました。所有者の方は、まさか誰も使っていない給湯器から水が漏れるとは思っていなかったと言います。しかし、水道の元栓を開けたままにしていれば、機器の内部には常に圧力がかかっています。古い給湯器であれば、使用していなくても劣化は進行し、寒波などの外部要因によって容易に破損してしまうのです。このトラブルの解決には、多額の賠償金と誠心誠意の謝罪が必要となりました。空き家を所有している場合、最も確実な対策は、給湯器の「水抜き」を完全に行い、水道の元栓を閉めておくことです。また、可能であれば給湯器自体を撤去してしまうことも一つの選択肢です。「今は誰も使っていないから大丈夫」という油断が、大量の水漏れという形で近隣住民に多大な迷惑をかけ、長年築いてきた人間関係まで壊してしまうことになりかねません。自分の管理下にある設備が、いつ凶器に変わるか分からないという危機意識を持ち、定期的な巡回や適切な閉栓措置を行うことが、空き家管理における重要なマナーと言えるでしょう。大量の水漏れという末期的な症状が現れる前に、異音や温度の不安定さといった予兆がある場合が多いのですが、それを放置してしまうと今回のような突然のトラブルに繋がります。
空き家で起きた給湯器の大量水漏れが近隣トラブルに発展した事例