家の中が静かな時に限って聞こえてくる「シュー」という音。誰も水を使っていないはずなのに聞こえるその音は、不気味なだけでなく、あなたの家計を静かに蝕む危険なサインかもしれません。目に見えない場所で起きている水漏れは、気づかないうちに水道料金を驚くほど高騰させる原因となります。 この不審な音に気づいたら、まず行うべきは水道メーターの確認です。家中の蛇口が完全に閉まっていることを確認した上で、屋外のメーターボックスを開けてみましょう。中にある銀色のコマ、「パイロット」が少しでも回転していれば、それは水がどこかで漏れ続けている確かな証拠です。 漏水による水道料金への影響は決して侮れません。例えば、針の穴ほどの小さな漏水であっても、24時間流れ続ければ相当な水量になります。ポタポタと水滴が落ちる程度の漏水でも、1ヶ月で数立方メートル、金額にして数千円のロスに繋がることもあります。これが壁の中などで「シュー」と音を立てるような漏水になると、月々の水道料金が普段の数倍に跳ね上がるケースも珍しくありません。 毎月、あるいは隔月で届く水道の検針票(使用水量のお知らせ)は、こうした異常を発見するための重要な手がかりです。普段と比べて使用量が急激に増えていないかを確認する習慣をつけましょう。特に心当たりがないのに使用量が跳ね上がっていたら、それは見えない漏水が発生している可能性を強く示唆しています。 使っていないのに聞こえる水道の音は、水道管からのSOSであると同時に、家計に対する警告でもあります。不審な音に気づいたら、すぐにメーターと検針票を確認し、異常があれば迷わず専門業者に相談してください。その迅速な行動が、無駄な出費と建物の損傷を防ぐ最善策となるのです。