静かな夜、誰も水を使っていないはずなのに壁の奥から聞こえる「シュー」という音。あるいは天井から微かに響く「ポタポタ」という音。こうした水道の異音は、単なる気のせいではなく、水回りのトラブルを知らせる重要なサインです。音の種類や聞こえてくる場所によって、原因は様々であり、その正体を突き止めることが迅速な解決に繋がります。 もし「シュー」や「スー」といった空気が漏れるような音が絶え間なく続く場合、最も注意が必要です。これは壁の中や床下など、目に見えない場所の給水管から水が漏れ続けている典型的な症状です。圧力がかかった水が小さな亀裂から噴出している音であり、放置すれば建材を濡らし、腐食やカビの原因となります。この音が聞こえたら、すぐに屋外の水道メーターを確認し、パイロットが回転していないか確かめるべきです。 一方、「ポタポタ」や「チョロチョロ」という音は、より直接的な水の動きを示しています。蛇口の締め忘れでないとすれば、トイレタンク内の部品の劣化が原因で、便器内に水が流れ続けているケースが非常に多いです。タンクの蓋を開けて中を観察すれば、水面が波立っていたり、水の流れる音がはっきりと確認できたりします。これは比較的一般的なトラブルですが、水道料金の無駄に直結します。 このように、水道を使っていない時の音は、漏水という見えない敵の存在を教えてくれる警報です。音の種類をヒントに原因を推測し、まずは水道メーターとトイレの確認を行うこと。そして、原因が特定できない場合や、壁の中から音がするような場合は、迷わず専門業者に調査を依頼してください。早期の対応が、家と財産を守る最善の策となります。