キッチンのシンク下の収納を開けたら、床が濡れている。この予期せぬ事態に、誰しも一瞬頭が真っ白になるかもしれません。しかし、シンクの水漏れは家庭でよく起こるトラブルの一つです。慌てて業者を呼ぶ前に、まずは落ち着いてどこから水が漏れているのかを特定することが、問題を迅速かつ的確に解決するための第一歩となります。 確認作業を始める前に、安全のためシンク下の止水栓(ハンドル式の蛇口)を二つとも時計回りに回して、水を完全に止めましょう。次に、シンク下の収納物を取り出し、濡れている箇所を乾いた雑巾で完全に拭き取ります。準備ができたら、止水栓を少し開けて水を流し、どこから水が滲み出てくるかを注意深く観察します。新聞紙やキッチンペーパーを敷いておくと、濡れた場所が分かりやすくなります。 水漏れの箇所は主に三つに大別されます。一つ目は、蛇口本体や、壁や床から伸びる給水管・給湯管の接続部です。蛇口の根元や、管の接続ナット周辺から水が漏れている場合、内部のパッキンの劣化やナットの緩みが考えられます。二つ目は、シンクの排水口から伸びる排水トラップや排水ホースです。洗い物をした時だけ水が漏れるなら、この排水系統に問題がある可能性が高いです。特に、排水トラップの接続部分のパッキン劣化や、ホース自体の亀裂や穴が原因であることが多いです。三つ目は、シンクと天板の隙間です。コーキングの劣化により、シンクの縁から水が染み込んでいるケースも考えられます。 ナットの緩み程度であれば、レンチで軽く締め直すだけで直ることもあります。しかし、部品の劣化が原因の場合は交換が必要です。自分で修理する自信がない場合や、原因が特定できない場合は、無理をせず専門の水道業者に相談するのが最も安全で確実です。二次被害を防ぐためにも、早期の対応を心がけましょう。